小林泰三

短編ホラーの名手というべきか、グロいハードSF作家というべきか。小林泰三
のホラーは、作者の科学知識に基づく、ホラーにはとどまらないSFの論理性を
備えた作品が多い。だが、それ以上にこの人の作品というと何か汁気の多い、肉
やら内臓やらが出てくるイメージの方が強い。
また、過去の作品に対する愛着が、クトゥルー神話、吸血鬼がモチーフとして現
れる数々の作品、特撮のアレを独自の視点から描いた「ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫)」などから見てとれる。
良質なホラー、SFの短編を生み出し、それだけにはとどまらず、ミステリー、
ファンタジー、恋愛小説と様々な分野に挑戦している。ただ、「超限探偵Σ」は
まずいだろう。

お勧め

  • 「酔歩する男」
  • 「予め決定されている明日」
  • 「吸血狩り」