ゴーレム100

ゴーレム 100 (未来の文学)

ゴーレム 100 (未来の文学)

汚れた未来都市ガフに現れた精神の怪物<ゴーレム100>を巡る物語。
同じサイコダイブものでもゼラズニィの「ドリームマスター」やベアの「女王天使」が霞んで見えるぐらいに、暴力的な精神世界の描写がタイポグラフィ、抽象画、果てはロールシャッハテストまで持ち出して描かれる。
ストーリーについては、「虎よ、虎よ!」に見られたように話が収束することなく拡散し、破綻寸前になる。ストーリーが収束することを好む人にはそこの受けが悪いんだろうが、スラングや言葉遊びが駆使された狂った文のせいか、読み終える頃にはストーリーが収束するかどうかなんてどうでもいいという気になってくる。