ラス・マンチャス通信

ラス・マンチャス通信

ラス・マンチャス通信

ようやく読みました。

この独特の感じはどういえばいいのだろうか。
不気味さとも奇妙さとも言い難い不思議な読後感が残る作品。
主人公が送る生活は陰惨で猥雑で、周りの人物が皆何らかの異常さを抱えた不条理なものである。主人公はその中で生活していこうとするが、結局そのことは事態をより悪い方向へと導いていく。
主人公が迎える結末は救われるものだとは決して思えないが、それでも、主人公が成長を遂げているということが伝わってくる。
序盤の「アレ」や飲食店の描写はその不気味さ、気持ち悪さが現れていて、秀逸としか言いようがない。