ジーン・ウルフ
SF界一の技巧派と言われるほど、細部まで考えられた構成、その幅広い知識から一語一語にこだわった文章を書く唯一無二の作家。
SFにはとどまらず、ホラー、ファンタジィと活躍し、真実というものの確かさが移ろいで行く様を文章と現実の乖離から描き出す筆力、書き手と文章の関係に対するこだわりなど、常に実力を発揮している。
問題は、その実力はひしひしと伝わってくるのだが、あまりに難解なため、読者が理解できず、ついて行けなくなることがしばしば。そのせいか、代表作であるはずの「新しい太陽の書」シリーズは早川で絶版のままである。SFマガジンで特集するぐらいなら、復刊してくれないかね。(徳間書店はハウルブームに乗っかってるって言うのに。)
まあ、国書刊行会からもうすぐ短編集が出るそうなのでそれを読むといいかと。
お勧め
- ケルベロス第五の首 (未来の文学)
- 拷問者の影 (ハヤカワ文庫SF―新しい太陽の書) (新しい太陽の書シリーズ)
- アメリカの七夜(SFマガジン2004年10月号収録)