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アッチェレランド (海外SFノヴェルズ)

アッチェレランド (海外SFノヴェルズ)

この本を読んでいて、限界効用とシンギュラリティの関係ということに思い至ってしまった。限界効用というのは要するに二個目の栗まんじゅうは一個目の栗まんじゅうほどうまくはないということなんだが、この本でも、それが成り立っていて、加速が次第に進んでいく第二章、第三章よりも、まだ現代と完全に断絶していない、変わりゆく世界を、著者お得意のジャゴーンを詰め込んで描いた第一章の方が面白かったと思う。ストロスにはエシャトンシリーズのようなアクション要素を期待しただけに、ストーリーの面でもやや不満が残る。